東京わんにゃん保護っ子日記 都会の真中の小さなシェルターで暮らす家族になりたいシッポたち

行政が多頭飼育崩壊を起こす団体も容認する裏側は... (土, 24 5月 2025)
少し前の記事ですが、いまだにセンターは改善の余地が見られないため、さらに多くの方に知って頂くため 再度触れたいと思います。 本当に何度読んでも 開いた口が塞がらない記事。 本質から外れていることに気付いて欲しいのですが、 なかなかその視点に辿り着けないようです。 言いたくありませんが、だからダメなのですよね。 栃木県の愛護センターは... あっちもこっちも、動物福祉はどこへ? っていう団体を容認している。 ★具体的に何が起きてるのか?★ シンプルにチャートにすると... 【センターがきちんと指導出来ない仕組み】 行き場のない野犬がセンターに溜まる ↓ 殺処分 ↓ 昨今の世論から厳しいクレームや炎上 ↓ それが怖いから、もう動物福祉って何?みたいな団体に動物たちを引き取らせる ↓ 表面的には殺処分を回避 ↓ 自分たちが責められずに済む(と、役所は思っている) ↓ 増えた収容動物を外部に引き取らせる、というのは対処療法でしかないので、1度では済まない。ずっと続けていく必要がある。 ↓ そういう無責任に受け入れだけしてくれる団体や組織が必要なため、センターは動物福祉が実現されていない組織でも、容認せざるを得なくなる。 ↓ 多頭飼育崩壊や違法行為で摘発、告発される団体が県内に増える。 ---今、ココ---- という悪循環のわかりやすい図が栃木県だと思います。 ザ・お役所仕事の基本的な問題構造です。 当たり前の事ですが、センターにとっては自分たちの役に立ってくれている団体や企業なので、厳しい指導はし辛くなる訳です。 この構造は栃木以外の「殺処分ゼロ達成!」と声高に謳っている多くの県も似たり寄ったりと言って良いでしょう。 つまり、愛護センターと現地の保護団体や動物関連で利益を得ている組織との、共依存(持ちつ持たれつの関係)を改善出来ない限り、動物福祉が実現されていない組織が容認されてしまう仕組みは続いていく事になります。 *タイトルの画像は栃木県の保護団体による多頭飼育崩壊現場かられ2次レスキューした、タヌ吉くん♂ 新しい家族募集中です! 「僕みたいな商売必要でしょう」ケージに糞尿が堆積、緑内障で眼球が突出…売れ残った犬猫を回収する“引き取り屋”の言い分 https://bunshun.jp/articles/-/46172
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当団体の譲渡条件について1 (Sat, 15 Feb 2025)
「犬を飼いたい!」のでなく、  「この子をしあわせにしたい。」 そう思って下さる方だけが里親さんになれます。 多くの方がペットの飼育に際して、癒し効果やお子さんたちへの情緒教育などを期待されるようです。 けれども、それは間違いです。 動物は生きています。 民法にどんな記載があろうとも、動物たちは物ではなく、「命」なのです。 癒し効果や子供たちの豊かな情緒教育への効果というのは、あくまで副産物です。その根底に家族としてその犬猫と真摯に向き合い、無条件の愛を注ぎ、厳しくとも愛情をベースにした躾を家族全員が行う。犬や猫の生態を理解した上で、毎日の適切なお世話をしっかりと行う。 こういった姿をまず、大人が子供たちに見せて、その上で子供たちに考えさせる機会を作っていく。 この過程なくして、子供達の成長の糧となる事だけを求めることは不可能です。 また、単に可愛がることで人は癒し効果や満足を得られるでしょう。 けれども、その時、もう一方の当事者である動物の側は本当にしあわせなのでしょうか? 本気で動物福祉にも取り組む事。 それが当会の里親さんの条件となります。 1番の目的が 単に可愛がりたい方、癒し効果を期待したり、お子さんの成長の糧にしたい方には、当会からはお譲り出来ません。 現代の犬猫の飼育者に求められるのは、人間のように法的な権利も与えられず、自らの生死すら他者に委ねざるを得ない弱者であるこの子達を、何としても幸せにしたい、生涯守り抜きたい、という決意です。 自分が犬猫を欲しいから、飼ってみたいから、などのエゴではなくこの子達への献身と慈悲こそが動機であって欲しい。 犬を飼う,猫を飼う、という意識ではなく深い慈悲の心を持って、人間の子供を養子に取る時と同じ責任感と覚悟を持って、この小さな命と向き合って下さる方のご応募をお待ちしております。
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【犬猫の不妊去勢手術が必要な背景】 (Mon, 23 Oct 2023)
多頭飼育崩壊現場からの帰り道、高速道路を走りながら、最近ずっと気になっている事を頭の中で整理していました。そしてやっと言葉に出来てきたので、 そのほんの一部を公開しますが..., 下記画像の現場は別々の多頭飼育崩壊です。 うちのシェルターは決して大きい方ではなくキャパも狭いですが、それでも20〜30頭の収容が可能です。 けれども、この5年ほどの間、そのスペースのほとんどが、各地の多頭飼育崩壊現場からのレスキューで、保健所からの犬猫はほぼレスキュー出来ていません。 そのくらい、近年、多頭飼育崩壊事件が多発しているのです。 保護ボランティアが起こす多頭飼育崩壊事件は、無計画な引き出しと収容過多が原因ですが、一般の方が起こす多頭飼育崩壊事件は不妊去勢さえしていれば防げるケースが殆どです。 そして こんな事になると、最初は起こした人も考えていなかったはず。 周りからも、その飼い主が未来に多頭飼育崩壊を起こすとは予想できません。 事前に この人はOK この人は避妊去勢しなくちゃダメ、 などとはわからない。 だから、雄雌を一緒に飼う場合には、具合が悪いなどの理由がなければ、どうしても不妊去勢をして欲しいのです。 最近、また日本で不妊去勢が一般化している事に反対という考えを広めたい方々がおられるようです。 日本で不妊去勢が普及して来たここまでの流れを知っている立場からすると、かなり残念に感じます。 そして今、私が不妊去勢を反対している方々、全員に問いたいのは、 「あなた方の言葉を表面的に受け取りして、不妊去勢しない選択をした方が、いつかこの事態に陥った時に責任をどう取って下さるのですか?」 ということ。 多頭飼育崩壊現場の子達は近親交配の繰り返しのため、先天性疾患、遺伝子疾患を持つ子も多く、短命だったりサイズが小さかったり、劣悪な飼育環境から引き出されても、不幸な末路となってしまうことも多々あります。 不妊去勢を不自然とか、ホルモンの成長期の個体への影響から問題がある、という理由でしない方が良い、しなくても良い、という意見を広めた結果、こんな子達が生まれて来ることは動物福祉に適った結末でしょうか? 沢山の無責任な飼育者を取り締まる法律は未だ施行できず、そのために過去30年ほどの間に、どれだけの望まれない命が産み落とされ、そして処分されていったのか。 何も罪がないのに、行き場所がないためにこぼれ落ちていく命を増やさない、確実なその方法が飼い主の責任で行う不妊去勢なのです。 不妊去勢の医学的な問題は勿論理解した上で、それでもまず、この過剰供給を断つ事こそが、動物問題の元栓を閉める事に繋がるとの思いから、日本では多くの保護活動家が、不妊去勢を訴えて来たという歴史があります。 何年もの間、何度も各地の多頭飼育崩壊現場でレスキューして来た保護ボランティアはみんな既に疲弊しています。 これ以上、こんな事件を起こさないためには、簡単に「不妊去勢に反対」という言葉を使う前に、まず適正飼育や終生飼育といった命への責任を、もっともっと一般に広める必要があります。 この言葉を広めるなら、 その後でなければ、更に悲しい現場が増えてしまう。 私はそれだけを危惧しています。 下記は新しく、関東近郊の多頭飼育崩壊現場からレスキューしてきた子達。これから、医療を掛け、人と暮らすルールを学び、新しい家族を探していくことになります。
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